出口日出麿の思想は、その著作である『信仰覚書』『生きがいの探求』『生きがいの創造』などに色濃く示されており、自己の内省、自然体の生き方、そして霊的な救済を軸としています。主な特徴は以下の通りです。
1. 「ありのままにあれ、なるがままになれ」と自然体
- 無理のない生活:分に過ぎた希望や力不相応な努力、自己を実際以上に見せようとする虚栄心を戒めました。
- 赤子のような心:損得や打算、執着を離れ、子供のように無邪気で素直な心(赤子の心)に立ち返る「とらわれない生きかた」を説いています。
2. 心の二面性と自己反省
- 天国と地獄の心:人間の心のなかには「神(善)」と「獣(利己・悪)」の双方が同居しており、日々の心持ち次第で、人間は絶えず天国にも地獄にも行き来していると捉えました。
- 利己心の克服:人間の苦しみの多くは利己中心的な打算やひがみ根性から発するとし、静かに自己を内省(自己反省)し、心を広く豊かに持つことの重要性を強調しています。
3. 「腹の生活」と実践主義
- 頭から腹へ:理屈や知識偏重の「頭の生活」に陥ることを戒め、実生活における体験や実感、行動を重視する「腹の生活」を提唱しました。
- 逆境の意味:いかなる辛い環境や逆境にあっても、それを不条理に呪うのではなく、向上への原動力に変えて努力を続けるところに人生の真価があるとしています。
4. 霊的浄化と人間性の尊厳
- 神性への信頼:人間は宇宙の真理や神から尊い霊性を与えられた存在である一方、使い方を誤れば動物以下にもなり得る危うさを持つと指摘しました。
- 信じ、赦し合うこと:お互いが不完全さを自覚した上で、「人を信じ、人の行動を善意に解し合うこと」「赦し合うこと」が、霊界・現界の双方における真の平和と救済につながると説きました。
こうした思想は、過酷な弾圧や獄中生活を耐え抜いた体験のなかから深められたものであり、自己を厳しく見つめつつも、最後には温かい人間愛とユーモア、自然体への希求に貫かれています。